片思いのキャンパスライフ

車も通り過ぎて、僕はまた道の真ん中を歩き出した。しばらく並木道を通り過ぎると、駅への階段がある。そこを上がる途中、僕はまた今日のことを思い出していた。

今朝、しおりと会った。しおりはあんまりかわいくないけど、元気な子で、僕とでもまあまあ話せるいい子だ。


「おはよう」
その
「ああおはよう日向君」

「てか放課後食堂でバイトしてるんだ」

「そう、ゆってくれたら麻婆豆腐だけじゃなくて、ご飯も大盛りでつげるからね」

「ほんとに? 嬉しいなあ。てか驚いたよ」

「今バイトしとかないとって思うから。そうだ今夜も五時から食堂でバイトするから、来てくれたらまたおまけするよ」

こんな会話があって、だから僕は放課後、ミュウとあいつが話すのを聞く前のことだけど、食堂に行くことにした。

食堂にしおりの姿はなかった。

ただ無機質に男の店員がおかずをお皿に盛っているのを眺めているだけだった。

僕はケータイで将棋のゲームをして時間を潰した。時々立ち上がり、店員が入れ替わるのを待った。

だけど誰も入れ替わらない。

仕方なくお腹も減ってきたし、ご飯とハンバーグを注文して食べた。



これだけた。何だったんだろう。


何故食べにおいでと言ったしおりが、いなかったんだろう。階段を上りきるまでの間にそんな事を思い。なぜか怖くなるのを必死で抑えた。


まるで村上春樹の世界がそこからは広がっていて、僕はただ、おかしな感受性の高まりが襲ってくるのが、怖くてたまらなかった。