春はすぐそこ。


ぱちっと、目が覚めた

熱のせいだ、
変な夢をみた

あんなこと、本当に言われたかなんて覚えていない

声だって、本当に聞いたことあるのかな

この涙は、なんだろう

「花。」

振り向けば古川とリリーがこちらを見ている

「ごめん、今何時?」

「無理すんな、帰るか。送る。」

「大丈夫だって。」

どうせ今帰ったってしょうがない

「なら、今話すか?」

「…今は話したくない、ごめん、」

「そうか。じゃあ、祭りいくか、おふくろが下で準備してる。いってこい。」

「うん。」