春はすぐそこ。


嘘をついた。

古川にはなぜか家のことを知られたくなかった。

それからしばらく私もリリーの遊びに付き合って、帰路についた。


「牧野、風呂出たら俺の部屋こいよ。」

「わかった。」

「花ちゃん、由紀から変なことされたら私をすぐ呼んでね?」

桃さんがリビングから顔をのぞかせてそういった。

「うっせー、姉貴!」

なんだかんだと仲良し姉弟のようだ。