春はすぐそこ。


「はいっ!お待たせっ!!」

「やったぁ!!」

おじさんからわたあめをもらって嬉しそうにしている


「ヨシカズ君、ママ達心配してるよ?」

「やだ。いかない。」

私を誘拐犯に仕立て上げるのはやめて下さい…。

そして君のワガママに付き合っているとお財布が空になりそうで怖いよ。

「じゃあ、お姉さんと一緒に来てくれたら、ヨシカズ君の食べたいものいっぱい買ってあげるよ?りんご飴ももう一回食べたいよね?」

最後の手段だった…。

「ほんとに?」

「ほんとだよ。ママがダメって言っても私が買ってあげる。」

「じゃあママ探しにいこう?」

キュッと小さい手で私の手を掴んだ。

「よし、行こうか。歩ける?」

「うん!」