零度の華 Ⅱ



小刀を菖蒲(アイリス)から抜き取ると、ドサッと音と共に菖蒲(アイリス)は地面に落ちた



「お、おい!何で殺したんだよ!菖蒲(アイリス)はお前を慕っていたのに!!」



そんなでけぇ声出さなくても聞こえている

ボリューム考えてくれねぇかな


耳が痛い





「おい!何とか言え!」


『うるせぇな。聞こえてる。そのバカでけぇ声どうにかしろ。耳がいてぇんだよ』


「知るか!質問に答えろ!」




ムカつき半分の呆れ半分


眉間に皺を作りながらもため息をついた




『お前達と大事な話をするために、邪魔だったから』


「そんなことのために......菖蒲(アイリス)を殺したのか?」


『"そんなこと"?バカなこと言うなよ。お前も"そんなこと"で人を殺してんだよ』



嗤笑するあたしに眉を顰め怪訝そうに見てくる鯱(オーカ)


言葉の意味を理解してないようだ



思わずため息をついてしまう