『いつも俺を信じてくれるのはお前だけだ。そんなお前が好きだ』
「ゼ、ゼロ、様?」
あたしはニコッと笑うも菖蒲(アイリス)には見えない
『木時光‐キトギ ヒカリ‐』
「えっ...ウッ!」
あたし達の会話を傍観していた4人の表情は見なくても分かる
当然、驚いているだろう
腕の中に隠し持っていた小刀で、抱きしめる菖蒲(アイリス)の背後から一刺ししたのだから
あたしは菖蒲(アイリス)の顔を見る
苦しそうで今にでも倒れそうな体
「ゼ...ロ.......サマ...」
必死にあたしの名を呼び、何故?という目であたしを見る
『俺はここで死ぬだろ。死んだ時、誰もいないと怖いんだ。光が俺を待っててくれないか?』
優しく微笑みかけ、菖蒲(アイリス)の唇とあたしの唇を重ねる
数十秒
唇を離すと菖蒲(アイリス)は動かなくなった



