「正義のヒーローみたいな登場だな」
『俺には程遠い言葉だ』
ボスの部屋なのに雲雀だけではなく各部のリーダー達が並んでいた
そして、4人の目に留まるのはあたしではなく菖蒲(アイリス)だった
「てめぇ、菖蒲(アイリス)!裏切りやがったな!」
「私は元から零(ゼロ)様に付いて行くと決めていた」
声を荒げる鯱(オーカ)に対して冷静に振る舞う菖蒲(アイリス)
ボスへの忠誠心が高い鯱(オーカ)と零(ゼロ)への忠誠心が高い菖蒲(アイリス)
この2人が啀み合うのは必然的だった
忠誠心が高いが故に
あたしは菖蒲(アイリス)を抱きしめた
「え、え!?ゼ、零(ゼロ)様」
突然の事で吃りだす菖蒲(アイリス)にあたしは構わない
あたしの腕の中に収まる菖蒲(アイリス)の耳元で囁く



