零度の華 Ⅱ



『力を貸せ』


「はい」



表情には出してないが、内心喜んでいるのが声で感じられた


菖蒲(アイリス)があたしの後で戦っている中、燕(スワロー)と向き合う形となる





「脅迫でもしたか?」


『人聞きの悪いこと言うなよ。彼女は彼女の意志で動いている』


「そういう風に操っているんじゃないのか?」




あたしは大きなため息がこぼれる


菖蒲(アイリス)のあの姿を見て、よく操られているように見えるもんだな



躊躇いもなしに、銃弾を暗殺部の奴等の胸に埋め込んでいるのにこれで操られているわけねぇだろ





でも、あたしのことを悪魔だと呼ぶ人間は、強引に殺らせてるようにしか見えないんだろ



目が腐ってる

いや、心がそうさせているから心が腐ってんのか




あたしにそんなこと言える権利はないから言わねぇけどな