そんな、どうでもいい奴から聞かされる言葉は耳障りなノイズでしかないため、無視
そして、あたしはある男に目をつける
目が絡み合う
『俺の恩、忘れたか?』
「恩を売られた覚えはない」
燕(スワロー)、基、里見忍
可哀相な子羊を拾い育て、復讐に手を貸した恩人に牙を向けるか
『恩を売った気はねぇよ。だが、少なくともお前に手を貸した人間だ。それで、牙を向けるとは酷い仕打ちだな』
「感謝はしている。でも、俺がどうしようが俺の勝手だ。お前は俺にこの状況を、どうにかして欲しかったのか?」
『言ってくれるじゃねぇか、餓鬼が。子羊に助けを求めても変わりはしないだろ。俺はただ面白いと思っただけだ』
恩を返せだなんて1mmも思っちゃいない
寧ろ、敵として回ってくれて嬉しいと思っているぐらいだ
あたしが育てた奴がどこまで成長したの知りたいし、あたしの考えがどこまで活かされているのか見物だと思ったからな



