「お前こそらしくない。弱さを見せることなんてないお前が、急にどうした」


『あたしだって弱さを見せたいときだってある。人間なんだから』


「熱があるのか?それとも変な物でも食べたか?」


『疑うのも無理はないけど、あたしがこんなことするのは雲雀だけだから...』




"あたしの全てを知る唯一の人だから"


と小さく聞こえるか聞こえないくらいの声で言った




それと同時に雲雀の胸に顔を埋める


雲雀の心臓の音が聴こえてくると、リズムを刻み少しずつだが早くなっているのが分かる




「狼」



名前を呼ばれたので雲雀の方に顔を向けた


どうやら雲雀は本気であたしを心配し、演技を信じ切っているようだ



あたしは心の内で雲雀を嘲笑った