焦っている今を狙って仕掛けてくる時間を遅らせようと行動を起こした
「!?...おい」
雲雀がネクタイを緩め、Yシャツの第1ボタンを外したところを後ろから抱きしめる
『雲雀。......怖い』
「は?怖い?お前が何に怯えている?」
零(ゼロ)が怯えることは今までに一度もない
だからこそ、雲雀は戸惑っている
こんな姿を見せたことがなかったから
『分からない。自分でも何が怖いのかなんて。ただ何かがあたしの中を恐怖で埋め尽くしている』
そっと、あたしの腕を解き向き合う形となると目を離さない
演技かどうか確かめているんだ
あたしが見破れるよな演技をすると思うのか?
あたしは常に完璧なんだよ
目に涙を溜めて、雲雀を見上げる
身長差上、必然的に上目使いとなる



