零度の華 Ⅱ


だからあの時、父親を殺すとなった時に雲雀は悩んでいた

実の父親を殺すことをためらったんだ




覚悟をしたもののいざという時になると人は大切であれば拒む



たとえルールを犯して酷いことをしたって、たった1人の血の繋がった家族であれば断ち切ることなんてそう簡単にできないもの



人間の心理というのは実に矛盾していて合理性に欠ける、あたしには理解できないことが多い


まさに、雲雀こそ理解できないものの1つ





表向きはボスとしての威厳さがあり、あたしを犬として扱い、揶揄(からか)うが実は殺しを好まず優しさや弱さのある人間



そんな風にしたのは紛れもなくあたしだな


あたしが雲雀を変えたのだろう

あたしに会わなければ、あたしが組織に入らなければ雲雀は変わることはなかったのだろうか







さぁな、誰もそんなこと知る由もないことだ






写真立てを元の場所に戻すと同時に人の気配を感じる



すると、玄関のドアが開いた



あたしは寝室から出てリビングで雲雀を待つ