零度の華 Ⅱ

それもそうだ、逃げたとしても窓すらないこの部屋から脱出するには、今レイラが入ってきたドアしかないのだ


そして、ドアから出れば確実にレイラと遭遇してしまう



レイラがキョロキョロとしているところを、あたしは後ろからムチでレイラの首を絞める



「ぐっ......ゼ...ロ....」



苦しみながらも必死に抵抗を試みるが、首を絞めつけるムチを解くことはできない



「う...ぐっ.....」




生気を失いそうになったのでムチを緩め解く





「ゴホッゲホッ!」


膝をつき咳き込みだす




「ゲホッ、どうやって......ゴホッ」



まだ苦しみながらもどうやって錠から逃れたのか気になるようだ


あたしはレイラの前まで回り、しゃがみこんで目線を合わせる




『こんな小さく細いものが、アレからあたしを自由にしてくれたんだ』


そう言ってレイラにピッキング用の針を見せた



「いつ、そんなもの持っていた」


『服を切られる前』




レイラは悔しそうな顔を見せる




いいね、その表情