零度の華 Ⅱ

「いい身体しているのね。多少傷はあるけど」


『どーも。そろそろ仕事の準備したいんだけど。退いて』


「え~。まだ午後5時じゃな~い。もう少しこうして眺めていたいわ~」




勘弁してくれよ

あたしが付き合いきれない



『ふざけるな。こっちは色々とやることがあるんだ。レイラみたいにあたしは暇じゃない』


「まぁ~、時間はいくらでもあるしいつでもいいか~。ねぇ~零(ゼロ)ちゃん~」




あたしから離れ距離が生まれる


最後の"ちゃん"を強調して言うレイラを横目にサラシを巻きなおす



「あら~無視~?」


ごちゃごちゃうるさいレイラを無理矢理部屋から追い出すと、大きなため息をこぼす




アメリカ(ここ)を最後にして日本に帰るように計画しておいて正解だった





あたしはレイラが置いていった書類に目を通す


今日中に出来上がった分の書類には綺麗にまとめてあり、分かりやすかった