零度の華 Ⅱ

口調はいつも通り変わらないが、すごく驚いているのが分かる


それはそうだ



男だと思っていた奴は実は女だったら驚かないわけがない


それに、あの零(ゼロ)が女だったということは大きいだろうな



あたしは何も言葉を発することなくただ横になっている



「本当、驚いたわ。....ん?これは.....」



胸元にある刺青に気付いたレイラ


左胸の方に狼、右胸の方に月



狼が月に向かって吠えてる絵を小さく胸元で再現している




「刺青の意味は何かしら?」


『特に意味はもたねぇよ。....まだ、何か?』



あたしは見られたからといって取り乱しはしない

寧ろ、女だと曝け出し、声のトーンを戻す



レイラはじっとあたしの体を見て上から退こうとしない