零度の華 Ⅱ




「随分と分かりやすい暗号ですね。もう、答えを言っているようなものじゃないですか。これでは警察もすぐに場所を特定されますよ」


報道が終わり、次の話題へと変わっても尚、テレビを見続けながら亜紀に答える



『警察にはすぐに特定できない。1つに絞る決めてがないからな』


「"夜の海"で海が見える場所、そして人目を気にしなくていい人気のない所といえば"港"ぐらいでしょう。足場の悪い海水浴場は真っ先に除外されます。次に、"1つの光の下"、これは"1つの街灯"を示します。そうと分かれば、絞り込めます」


『光が街灯だとは限らないだろ』


「貴女を追いかける鷹見さんは頭のキレる人です。"月が満ちた日"が満月のことを示すなら、その光は月ではないものだと理解するでしょう。それに、絞り込むのなら月と思わない方がいいですしね」


あたしはテレビの音が邪魔になり、電源を消して亜紀の方へと体の向きを変えて話を続ける





『仮にそうだとして、港で街灯が1つの場所は調べても3,4ヵ所はある。それから1つにどう絞り込むというんだ?』



確実に「ここだ」と決める要素は言葉の中にはない筈だ

警察には特定できない

プログレスとあたしにしか分からぬ場所




「そうですね、私なら......」