零度の華 Ⅱ



しかし、あたしに拳が飛んでくることなく、未だに手は封じられている



振り解こうとするができない


女でも力はあるが男の力にはやはり勝てない

それに、上から押さえつけられているからなおさら



レイラとあたしは数十秒見つめ合った



『はぁ、いつまでこんなことやる気だ?疲れているから休ませてくれ』


「いいじゃな~い。なかなか会えないんだし~」





さっきの怒りが嘘のようにいつも通りに戻っている


あの怒りは嘘ではない、本気だったがすぐに正気に戻したんだ



「ねぇ~。何を隠しているの~?お姉さんに言ってみなさ~い?」




グイッと近づきあたしの頬を片手でなぞる



『俺の口から言った方がいいのか?自分で調べないのか?』




遅かれ早かれバレてしまうことは分かっていたこと


見られたくないものさえ見られなければ女だとバレても問題ない