零度の華 Ⅱ



痛みで少しは和らぐ音と、頭で繰り返される言葉が遠のいていくように、そのまま消えてなくなるように、小さな傷を深くなるように小刀を握りなおすと、完全に苦しめていたそれはなくなった

でも、それがなくなる時、あたしの太腿には消えることのない大きな深い傷へとなり、紅い血が広がっていた


止血をして、救急箱の中身で手当てを済ますと、そのまま眠りについた

外とともに部屋の中も少し赤身を帯びてきたときに目を覚まし、ベットから起き上がると仕事をするべく、パソコンを目の前にキーボードを打っていく



仕事といっても簡単な情報収集

プログレスについてはどうせ何の情報もでないのは分かっているから、今世間では今回のことがどう騒がれているのかと零(ゼロ)に対しての殺しの依頼が来ているかなど見ていく



でも、何も変化などない


あたしを罵倒し非難する人間もいれば、殺して欲しいと殺し屋に(すが)る人間もいる

あたしを嫌いながらも、あたしを求める


それは何も変わらない



あたしは頬杖をついてマウスを弄りながら、退屈にパソコンの画面を見つめる




コンコン、とドアが叩かれどうぞ、と言う隙を与える間もなく亜紀は入ってくる