零度の華 Ⅱ



『いいや、あたしは正真正銘の日本人だ。この色は突然変異によるもの。何もいじってなどいない』


「へぇ、そうなんですね。こんな色に染まることってあるのですね」


興味津々そうにあたしの髪に触れる亜紀

あたしの心臓は尚もまだ嫌な音を響かせる


『あたしは特別らしい。あたしもよく知らないがな。それより、残っている仕事を片付けたいから部屋に戻る。何か新しい情報が入ったら呼んでくれ』



当たり障りのない理由でさりげなく亜紀から離れることができ、あたしは部屋に入るとグッタリとなってベットへと体をすべて預けた


未だに鳴り響く音に吐き気を覚えてくる

こういう時に殺しをするのは、亜紀に弱みを教えているようなもの

自分の首を絞めるだけ


今は我慢をしなければならない

落ち着かなければ......



そう思い、あたしはいつも持ち歩いている小刀を手に取り、自分の太腿あたりに刃を当てゆっくりと横に引く

そうすれば血を滲ませながら一本の切り傷ができる