そう思って亜紀の前から去ろうとしたのだが、亜紀がそれを許さずあたしを抱きしめたのだ
『おい、離せ!!』
「珍しいですね、貴女が声を荒げるなんて。何か、禁句な言葉でも呟いてしまいましたか?」
あたしと違って亜紀の声色は怪しげに聞こえた
そして、コイツの目的が分かった
あたしを乱した言葉を知り、今後あたしを支配するための脅しとして使うつもりだろう
駒が主に逆らうとしていると分かれば、それは絶対させてはいけない
立場が逆転してはいけないことだ
未だに心臓は嫌な音を立てているが、このまま乱すことがあれば、弱み握られるようなことがあれば、零(ゼロ)への恐怖心がなくなってしまう
亜紀があたしに対して恐怖心はあまり抱いていないと思うが、どちらが上で強いかということはハッキリさせておく必要がある



