零度の華 Ⅱ


そう思って亜紀の前から去ろうとしたのだが、亜紀がそれを許さずあたしを抱きしめたのだ



『おい、離せ!!』


「珍しいですね、貴女が声を荒げるなんて。何か、禁句な言葉でも呟いてしまいましたか?」



あたしと違って亜紀の声色は怪しげに聞こえた

そして、コイツの目的が分かった


あたしを乱した言葉を知り、今後あたしを支配するための脅しとして使うつもりだろう

駒が(あるじ)に逆らうとしていると分かれば、それは絶対させてはいけない



立場が逆転してはいけないことだ



未だに心臓は嫌な音を立てているが、このまま乱すことがあれば、弱み握られるようなことがあれば、零(ゼロ)への恐怖心がなくなってしまう


亜紀があたしに対して恐怖心はあまり抱いていないと思うが、どちらが上で強いかということはハッキリさせておく必要がある