そして、飲み終わるとマグカップはシンクに置き、水を流し始めた
数秒、水を流すと椅子へと腰をおろし、あたしと視線を交わす
おそらく、マグカップに水を溜めて置いたのだろう
茶渋がつかぬようにと
あたしは今まで亜紀に女だと知られていても、素性の殆どを隠してきた
髪の色も瞳の色も名前も、そして過去も
まぁ、名は最近明かしたけれど、それまであたしは亜紀に何も話さずに今まで過ごしてきた
本当は知られていたのかは定かではないが、あたしが見る限り知る由などなかったはずだ
『そんなに知りたいことか?』
「確認、ですかね。零(ゼロ)という殺し屋の情報が本当かどうかということを確かめたいだけですよ」
『あたしが嘘をついていると?』
「十分にあり得ることでしょう?」
亜紀が嘘かもしれないと疑うのは当然のこと
あたしは人を欺き騙し続けて生きているからな
公にしたのがから亜紀に隠すことは何もない
もう、隠す必要はないのだから......
あたしは立ち上がり亜紀の目の前まで歩み寄ると、今までに被っていたウィッグを取りカラーコンタクトを外して、しっかりと亜紀の目を見る



