零度の華 Ⅱ



ソファーに座ると同時に亜紀が話しかける

それは先程の内容


「警察のことについて、ご自分で調べると言っていましたが具体的にどうやって調べるおつもりですか?それこそ、今、駒を使うべきではないですか」


『お前が潜入して探ってくれるのか?』


「私は殺し以外の命令は聞く気はないですよ。他を当たって下さい」


『生意気な駒だな』



あたしは携帯電話を取り出す



『今回は慎重にいきたい。下手に駒を使ってバレることがある危険性は避けたいからな』




電話帳からある奴の連絡先をみつけて電話をかける



「もしもし」


恐る恐るといった、探るような声色で電話に出る相手

あたしは普段よりも少し高めの声で相手と話す



『久しいな、鷹見』


「!?...その声は、雨月か?」


『当たり。あたしの声を覚えてくれて嬉しいよ』


「お前から連絡してくるとは思わなかった」


『あたしもすることになるとは思わなかった。あの件からあたしを追っていたお前とな』



あの件、それはあたしを零(ゼロ)だと疑った鷹見が、警察が所有する隔離施設にあたしを監禁したことだ


それについては、あたしがそうさせるように誘導させた