零度の華 Ⅱ




「ちょっと、待って下さい」


緑の言葉を聞いて疑問を抱いた亜紀が声を上げた

それにより、あたしも考えることを一度中断させて亜紀の方へと振り返る


あたしと緑の視線は亜紀に向く



「裏の人間ではなく表の人間でこんなことが出来る人なんているはずが......」



言っている途中で察した亜紀は驚いた表情を見せた


『察したようだな。お前の思ってる通りだ』


「まさか、警察だというのですか?」


『これもあたしを捕まえるための方法だろう』


「おい、そうとは決まってないだろ。サツとは限らねーぞ」


『サツ以外の確立の方が低い。まずは調べてみる必要があるな』



今、警察がどう行動しているのか知るべきだ


「調べるってどう調べるつもりだ?俺は手を貸さないぞ」


『調べるのは自分でやる。危険ではあるがな』



鷹見に会えばバレてしまう可能性もある

今、会うのは避けたかったが仕方ない


「気を付けるんだな」


『珍しく、あたしを心配してくれるのか?』


「お前はいい金蔓だからな」


『言ってくれるな』



あたしは笑って見せる

金蔓なんて言われるのは腹立たしいが、今は怒りを露わにする気にもなれない



『今日は帰る。何か分かったら連絡してくれ』


「気が向いたら」


あたしは鼻で1つ笑って緑のもとを離れて、家に帰宅する