零度の華 Ⅱ




『お前が持っておけ』


「おい、タダではやらねーぞ」


『いくらだ』


「500万」




緑のやつ、あたしから相当金を取る気だな

500万なんて割りに合わない数字だ


でも、ここで文句を言えば交渉もできない




『次来た時に用意しておく。情報を頼んだぞ』


「言っただろうが。お前に手を貸す気はない。俺を巻き込むな」


『別にいいんだぞ?ココの情報をサツに渡しても』


「脅しているのか?お前、今の立場が分かっていないようだな」


『分かっていないのはどっちだ。ここが無くなろうがあたしは困りはしない』



結局、あたしはこうやってしかものを頼めないようだ

昔から拒まれると脅して命令するような形となっていたから、穏便に話を進めることができない


あたしが決まって言う最後のセリフには、あたしは関係ないという意味を込めている

中には消えては困ることもある

緑の店だって、その1つだ



それでも言うワケは、そう言えば断ることが出来ないと知っているから


自分が捕まってまで、または、死んでまで断る必要などない

それならば、あたしに従ったほうが身も安全である


皆が自分を守るためにあたしに力を貸してくれるのだ