とりあえず、情報よりも亜紀を連れていくことを考えよう
『情報は後でいい。もう1つの目的は武器を買うことだ。見せてくれるよな?』
表向きの探偵事務所では稼ぐのは難しく、そしてココが武器屋だと知る者も少ない
要は稼ぎが少ない分、武器が売れることは緑にとっては嬉しいこと
嫌いな奴ほど金を要求するのが緑のイヤらしいところだ
「チッ、分かった」
情報がメインとなる頼み方に緑は嫌気を示しながらも、嫌々といった感じで了承する
立ち上がり部屋にあるドアを開く緑に続き、あたし達2人も立ち上がり、ドアの向こう側へと歩いて行く
階段を降りた先に見えるドアの前で歩いていた緑は足を止めて、振り返った
「いつも通りにやれ」
一緒にいるのにわざわざやらないといけないのかよ
そう思いながらも、亜紀に説明する手間が省けるからいいかと考えやって見せる
あたしは亜紀によく見とけと意味を込めて視線を送ると、亜紀は気づきあたしの行動を目で追う
ドアを3回叩くと、横で緑がお馴染みの言葉を言う
「最強な矛」
『最弱な盾』
「名は何という」
『名はない』
緑はドアを開き、あたし達客人を先に入れず、自分が先に部屋に入る



