零度の華 Ⅱ




『緑‐リュィ‐、頼みがある』


「聞かねーぞ。それに来るなと言ったはずだ」


『いいじゃないか、零(ゼロ)が女って情報を手に入れたんだ。頼みくらい聞くべきだと思うがな』


「知るか。どうせ、お得意の変装だろ?それより、誰だソイツは」



いくらあたしが『本当だ』だと言っても信じてはくれないようなので、これ以上言うことは諦めた

そして、緑は亜紀のほうへと視線を移していた


亜紀が名乗ろうと口を開こうとしたと同時に、あたしが口を開く



『あたしのパートナーの烏(クロウ)だ。仲良くしてくれ。それで、奥の部屋に案内してくれ』


「誰が仲良くするか、帰れ。もう、ここには来るな。俺を巻き込むな」


『プログレスの情報を集めてくれればいい』


「言っているだろ?俺を巻き込むなと」




キリの無い言い合いをするあたし等を横目で見ている亜紀

コイツにあの部屋を教える必要がある


そして、意味の解らない合言葉も