零度の華 Ⅱ




「おい」


『そうか。お前もあたしのこと知らないのか』


「俺の質問に答えろ」



口調が強くなりイラつきを見せる緑‐リュィ‐

あたしは緑のことを知っているが、緑はあたしが零(ゼロ)だということを知らないため、何度も合っているような口ぶりに腹を立てているのだろう


そんなにもあたしが零(ゼロ)だと分からないものだろうか



『あたしは零(ゼロ)』


「はっ?零(ゼロ)だと?証拠をだせ」




そう言われるだろうと思っていたあたしは、隠していた短刀2本【氷刃】と【黒刃】をテーブルの上に置いて見せた


緑はあたしを一度見て短刀に触れ、中を確認するため鞘から刀を少しだけ覘かせた


【黒刃】を目にした瞬間、驚きの目を見せ、あたしと刀を交互に見る




『信じてくれたか?』


「あぁ。間違いなく零(ゼロ)だな」


刀を鞘にしまいながら平然を装い、あたしに短刀を渡す

それを受け取り、座っているソファーに置くと本題に入る