亜紀の目を見れば本気だということが分かる

兄に対して微塵も感情を抱いていないようだ


殺すとなった時、コイツは何の躊躇もなく殺すな

それはそれで面白そうだ

楽しみは取って置こう



あたしは亜紀に口角を上げて笑って見せた

あたしを楽しませてくれと期待を込めて


亜紀は笑みを見るとあたしに対して表情は無のまま礼をした

笑みの意味を理解してか、それとも違う意味か、あたしは深く考えることはしなかった




『亜紀』


「はい」


『あたしを咲斗のもとへ連れて行ったのは何故だ。適当に放り出しておけばあたしとの関係は終わり、自由じゃないか』



亜紀は足を組んだまま、あたしから目を逸らさず答える



「確かに、貴女の気まぐれに付き合わなくて済むのはいいと考えましたよ。何も気にすることなく自由に過ごせることが出来ますしね。でも......」




一度言葉を止めた亜紀は椅子から立ち上がり、ベットに腰を下ろしてあたしとの距離を縮める



「そこに面白さなんて全くない。やはり、貴女がいなければ面白くない。それに、もっと貴女の事を知りたいと思ったので、死なせるのは勿体無いと。どうです?助けられた気分は?」


『......お前、言うようになったな。...面白い。あたしの遊びにとことん付き合ってもらうぞ』



亜紀は「面倒事には付き合えませんけど」と言いながら笑みを見せていた