移動している時に望の服を着替えさせ、ペンと紙を持ち文字を綴る

亜紀はチラリとあたしの方へ視線を移すと、すぐに前を向き言葉を発することはなかった



あたしが何をしているのか見て分かったからだろう

沙也加の家から車を走らせ15分、目的地の場所へ着いた



「ここは?」


『梟組だ』


あたしが亜紀に向かわせた場所は梟組



「赤ん坊を組へ預けようとしているのですか?無理でしょう」


『大丈夫だ』


「こことはお知り合いなのですか?」


『知り合い、ではあるが言うのであれば敵、だな』


「敵であるのに赤ん坊を引き取ってくれるという自信があるというのですか。貴女がどういう関係を繋いでいるのか理解し難いですね」


『繋いでいるわけじゃない。言っただろう。あたしにあるのは駒か玩具だと。ここもあたしの玩具の1つだということだ』



亜紀はそうでしたねと納得の笑みを見せた


あたしは、赤ん坊を抱きかかえ紙を手に取り、車を降り頬の血をふき取ると梟組のインターホンを押す



出てきたのは組員だった