零度の華 Ⅱ






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亜紀はあたしの影武者として動いた


誓いを立てるとしてもあたしは信用してない

裏切られることを前提として物事を考える


信用できるのは自分だけだ



零(ゼロ)が現れたのにも関わらず、鷹見はあたしを解放しようとしない


それは納得してないから

この解禁は鷹見があたしを零(ゼロ)ではないと納得するまで終わらない


1日現れただけじゃ解放しないのは分かっていたし、それをあたしに報告しないということも分かっていた



鷹見なら顔に出すことはないが、部下達は生憎鷹見のような頭はないから、平然を装うことはできない

だから、何か変化があったと読みやすいんだ



今頃、カメラの向こうでは鷹見と部下とがあたしを解放するかしないか話をしているんだろうな



あたしはただ待つだけ

今、この状況で自力で脱出は考えない方が得策だ


今、ここで流れを自分から崩す必要は無い