零度の華 Ⅱ

子供達はもう立派な大人となり、息子は保険会社に勤め娘はOLだったな



『仕事は偽ったままか?』


「そうだよ。知らない方がいいだろう」




自分の子供に嘘をつき、殺し屋だと伝えてない


なんで嘘をついているかは知らねぇけど、いつまで貫き通せるかが問題だな


もう大人となり表で働いている2人なんだから


殺し屋ということは妻にしか教えていない




まぁ、人の事情はあたしには関係ないがな




「おかえりなさい。あなた」


「ただいま。マリア」




マリアはライトの妻だ

優しい目をして穏やかな女性



「マリア、メールで話した人だ。紹介する....」


『刃‐ヤイバ-です。しばらくお世話になります』




ライトの言葉を遮り名乗るとペコリと頭を下げる



「初めまして刃さん。いつも主人がお世話になっています。お疲れでしょう?ゆっくりなさってください」


『いえ、こちらこそお世話になってます。ありがとうございます』