零度の華 Ⅱ



辺りを見渡しカメラが無いことを確認したうえで、制服を脱ぐ



佐々木が嘘を言っているようには思えなかったが、素直に信じれるほどコイツ等警察を信用していない



あたし等は敵同士

疑うのは当然のこと


白のワンピースを身に纏い、感じるのは不快感

やはり、白はあたしの色ではない


黒がいいなんて我が儘を言えば子供と同じなのでやめておく





不快感と共に感じたのは寒さを感じないこと

3月の上旬、春へと衣を替える季節だが1枚だけじゃ肌寒い


それなのに、ここではワンピース1枚で過ごせる


コンクリート構造のおかげか、それともこのワンピースの生地がいいのかというのは良く分からないが、寒くなければいい



佐々木のもとに戻るとスリッパが置いてあるので、今履いているローファーと履き替える


スリッパもこれまた白


新手の嫌がらせだろうか

あたしは一瞬眉を寄せるも、すぐにもとに戻し制服を佐々木に渡す