零度の華 Ⅱ





それだけ、あたしを零(ゼロ)だと思っているってこと


読みは当たっているが、まだ捕まるわけにはいかない



2週間なら付き合ってやろう

精々、悩むがいい




また来ると言い残して再び牢の外に消えて行った

おそらく、どこかの部屋へ行きカメラであたしを監視しているはずだ



それより、何もないとすることがない

どう暇を弄ぶかと考えるのは初めてだ


テレビ1台あればいいものも、頼んだって置いてくれないのは分かっている



『はぁ』


ため息を1つこぼす

結局、何をしていいのか考えきれずベットに横になった



小さな窓から外を眺めれば、雨が降っていて灰色の雲で覆われている



ただボーッと見つめていると佐々木という女警官が鍵を開けて入ってきた

鍵は使い回し、ここへ入れるようにしているようだな



佐々木は置時計を枕元に置いたので、寝返りを打って寝転んだまま佐々木を見る