零度の華 Ⅱ



そう、情報屋ICE(アイス)と殺し屋零(ゼロ)を同一人物という考えを阻止することがあたしの目的




だから、わざわざ自分の身を犠牲にしてまで実行したんだ


あたしは鞄とポケットから携帯電話を取り出し、鷹見に渡す



鷹見が受け取らず、横から鷹見の部下があたしの手からそれらを回収した




躊躇いもなく自ら牢屋の中に足を踏み入れる


それと同時にガシャンと鍵が閉められた


振り返る鷹見に視線を向ける




「すぐ、戻る」




それだけ言うと2人はあたしに背を向けて行ってしまった


係の奴もどこかへ行き、1人となる




ベットへと腰を下ろして周りを見渡してみた



この空間だけでカメラが確認出来るのは3つ、いや柵の外を合わせれば4つか

そうなると、結構な数のカメラが仕掛けられていると考えていい




それにしても音も聞こえず、静寂を通り過ぎて無と言っても過言じゃない