零度の華 Ⅱ



あたしの向かい側のソファーに腰を下ろす鷹見とその後ろに立つ部下





『貴方も座れば?』



鷹見の横を見て座るように促すも、断り座ろうとしない




「座れ」




鷹見に言われると、上の命令のためか従って鷹見の横に腰を下ろした


最初からそうすればいいのにと心の内で悪態を付きながら、あたしは鷹見と目を合わせる




「俺達がここに来た理由は分かってんだろ」


『さぁな』


「とぼける気か?」




あたしはクスッと笑って冗談だと言ってみせる




『圭が捕まったみたいだな』



鷹見は一度圭に会っている


そこではBARのオーナーとして顔を見ただけで、まさか情報屋だったなんて、ましてや闇の取引が行われる場所だったなんて思いもしなかっただろう



「お前、どういうところか知っていたのか」


『勿論だ。あそこは人目につかない。カモを釣るには絶好の場所だ。向こうも足を運びやすかっただろ』



眉を寄せてあたしを見る鷹見とその部下