零度の華 Ⅱ

あたしは送られてきた2件のメールを読む


1件は烏(クロウ)から、もう1件は菖蒲(アイリス)から



警察に動きなしに組織の方も何もないらしい


日本から離れてすぐは何もないか




あたしは2人に連絡は動きがある時だけでいいよう伝えた


頻繁に携帯電話も開けない状況だからな




ひと休みするためにカフェに入りコーヒーを頼む


人混みを苦手とするあたしが長時間人混みに混じって散歩することは、体力と共に気力もすごく消費することだ



どこかで休憩を挟まないともたない



コーヒーを飲み終え店を出て少し歩いた時、2人組の男があたしの前に現れる



「おにーさん。どこから来たの?」



あたし、こんなところで道草食ってる場合じゃないのに



『日本』


「オォー!オレ、ニホンゴ、スコシハナセル」


「カンコウナラ、アンナイスルヨ」




片言の日本語を話す2人組のフランス人