零度の華 Ⅱ


法で縛られている警察は、銃の使用は上の許可が下りなければ持たせてはくれない



犯罪者を殺せば、警察であれ罰せられる


理不尽な世界だ





悪い奴を排除しても法によって許されないから、正義であろうとも罰を受ける




『ハッ』


「何が可笑しい」



怪訝そうにあたしを見る藤沢に一歩、歩み寄る


そして、藤沢が身構え持っている銃をそのまま、自分に引き寄せては心臓辺りに銃口をピタッとつけた




藤沢の顔が一層、強張っている





「どういうつもりだ」


『このまま引金を引けば、1発で死ぬ』


「だから、言っただろ。僕達は人を殺さない」


『いや、殺せない、だろ。でも俺は違う』






あたしの片手には藤沢が持つ銃があり、もう片方の手には小刀を持って藤沢の首元に当てる




ゴクリと息を呑んだのが分かる