零度の華 Ⅱ

まるで、獲物を見つけた獣のような目


警察特有の威厳さがある





「敵に情報を話すとでも思っているのか?」


『......なさそうだな。お前は口が堅そうだ』


「僕の話はしないけど、お前の話は聞いてやる。ゆっくり署でな」





そう言ってどこからか手錠を取り出した





『ここで俺を捕まえてもいいが、そうしたらシークライト軍の望みは消えてしまうぞ』




あたしは挑発した声色で話す





「犯罪者に犯罪のない世界を求めるなんて、馬鹿げている」


『お前も馬鹿げている集団の1人だ』


「今日を持って終わる」


『終わりはしない』




そう、まだ何も遊んでいないんだ


これから面白くなるのに、捕まってたまるかよ




一歩ずつ近づいてくる藤沢


手錠を持っている反対側の手には銃が握られているんだろう






『お前には家族がいるようだな』



藤沢の足がピタリと止まる