零度の華 Ⅱ





確かにあたしは壊すことが仕事だ


壊すぐらい容易にできて当然



だが、創ることは一切しない


いいや、できないししようとも思っちゃいない




そんな良く分からない理由で信仰し、殺人鬼に世界平和を求めるのか





『信仰するのは勝手だ。でも、俺はヒーローになる気はない。........まぁ、でもお前達の依頼はすぐに聞いてやる。その代り、俺が何か頼んだ時は応じてくれよ?』





鬼の面であたしの表情が見えないことをいいことに、口角を上げてニヤリと笑い、こう告げる






"でなければ、俺が心臓を止めてやる"





怯えているのが手に取るように分かる



あたしを信仰していたら死ぬことはないという概念を潰す



でなければ、あたしに従うしかできなくなるから

これで、遊びやすくなった





『じゃあ、ここで解散してくれ。夏目と藤沢‐フジサワ‐だけここに残ってくれ』


「それでは、皆解散」



立ち上がり、ぞろぞろと扉から出て行く


いちいち、何故名前を知っているかと聞かないのは言葉にしなくても"零(ゼロ)だから"と納得できるからだろう