零度の華 Ⅱ




『顔を上げろ。そこまでする必要なんてねぇだろ』


「いえ、これは我々の忠誠心を牢乎(ろうこ)した姿の形なのです」


『分かった。でも、顔だけは上げろ。聞きたいことがいくつかある』





リーダーである夏目遥‐ナツメハルカ‐という男が顔を上げた


あたしは疑問に思っていたことを聞く





『お前達は俺を何だと思っている。神か?それとも悪魔か?』





あたしは鬼の面から夏目の目をしっかり捉えて離さない


夏目もあたしから目を逸らすことはない




そして、夏目が口を開きあたしが聞いた答えは、意外なものだった






「我々は人間である零(ゼロ)様を信仰しているのです」


『世間では俺は化物呼ばわりされているのにか?何故、人間である俺を信仰する』


「Seek light。我々は光を求めいるのです。この醜い世界を変えてもらいたいのです」



疑問が多すぎる




『お前達の光は何だ?」


「ウロボロス。死と再生、破壊と創造を繰り返し、完全無欠の世界が我々の望み」





教会に太陽の光は差してこない


その代わりに、電球が光を灯し不気味にあたし達を照らす