零度の華 Ⅱ





「お好きなものをお取りください」



箱を開ければ、綺麗に並べられた5つのケーキ




あたしは苺のショートケーキを皿に取る


亜紀はチョコレートケーキを皿の上に乗せた



残りは冷蔵庫に入れ、保存する







『甘い物、好きなのか?』


「えぇ、こう見えて甘党なんですよ」




亜紀はチョコレートケーキを一口食べると「美味しい」と呟いている


あたしも一口食べると、本当に美味しかった





「羽空も甘い物はお好きなんですか?」


『好きではない。普通だな』


「そうなんですね」




あたしは話しながらケーキを食べ進めていく




すると、あっという間に時間は過ぎていくのだった


気付けば時間は6時を過ぎている




『そろそろ、行く』




あたしは鬼の面を片手に持ち、席を立った




「お気をつけて」




亜紀の言葉を受け取ると教会に向かって歩く