零度の華 Ⅱ




『あ、仕事は3日ぐらい無い』


「遊ぶためですか?」


『そういうことだ。そんなに殺しがしたいならカモを見つけるか、適当に殺ればいいだろ。零(ゼロ)の影武者である前に、お前は烏(クロウ)でもあるんだ』





あたしはそれだけ言うと自分の部屋に入り、準備をする



身を黒に染め、一応小刀と銃だけ忍ばせておく



携帯電話で時間を確認すれば、16:05の数字が目に入る


まだ外が明るいうえに早いか




リビングに戻ってきて、ペットボトルの水を冷蔵庫から取り出して飲む




「もう、行くんですか?」


『いや、まだだ』


「では、ケーキでもいかがですか?」





そういえば、あたしは何も食べていなかった


今、そんなこと思うとお腹が空いてきた




『食べる』




亜紀はケーキの入った箱をダイニングテーブルへと置く


あたしは小さな皿とフォークを取り出し、座る席の前に置いた