零度の華 Ⅱ



『知りたいか?殺した理由を』



目を離さず、視線がぶつかり合う




分からない情報を相手が持っていたら、欲しいと思うのは当然だ


欲深いのが人間の性というもの




何も答えず、ただ煙草を吹かしている緑をただただ見ている





煙草が吸い終われば、やっと返事が返された





「知りたいと言えば教えてくれんのか?」


乗ってきた



『勿論。だが、等価交換だ。安い情報ではない』





どの情報屋も今回の事件は掴めない


それは簡単、あたしがワザと隠蔽しているから



知られたらマズイ、ということは特にない




あたしが正体を明かしたというのは、会話を録音しない限り知り得ないことだ




わざわざそこまでする理由は、零(ゼロ)という存在をまだ謎で恐怖の塊として残すため





そこまで緑に話気は無いが、MIUNIT(ミニュイ)を全滅した経緯ぐらいは話しても構わない