零度の華 Ⅱ



「仮面はどこにでもある。他を当たれ」


『金は要望に答える』





......無視かよ


どんだけ、あたしと関わりたくないんだよ





他を当たれと言われても、ここが1番近くて速い


マスクが手元にない今、仮面が今すぐ欲しい




しかし、こうなってしまえば何しても帰れと言われるだけ





『分かった。帰る』




緑に背を向けドアノブに手をかけた時




「待て」





緑から止められる


帰れって言っておいて待てとはどっちだよ



振り返れば、ジッとあたしを見てくる





「MIUNIT(ミニュイ)を全滅させたのは何故だ」


『情報収集は得意じゃなかったのか?』


「今回は何も掴めん」




そう言って煙草を1本取り出し、吸い始めた




これは使えると思ったあたしは、怪しい笑みを浮かべていただろう


緑が眉間に皺を寄せた