「用件は何だ」
緑があたしに冷たいのは、あたしを厄介者だと認識しているから
関わるとロクでもないことになると思っているらしい
でも、こいつに迷惑かけたつもりはないんだが
「用件がないなら、さっさ帰れ」
『用件ならある。仮面が欲しい』
「仮面?」
『あぁ』
「今更何に使う。それにマスクもやったろーが」
『今すぐ必要なんだ。マスクは燃やしてない』
「は?」
馬鹿にしたような目と怒りの目があたしに向く
完璧な男になるためにはマスクが必要だった
だから緑を訪れ、マスクを売ってくれるように頼んだ
欲しくて買った物を燃やしたと言えば、誰だって何やってんだと思うのも無理ない
「燃やしたってどういうことだ」
『それは後で話す。まずは仮面だ。早急に頼む』
あたしを映していた緑の目は、ナイフへと変わりそれを磨く



