それより、丁度良かった
『少し頼まれてくれ』
あたしは1枚の封筒を男の前まで投げた
『上の奴に読むように言ってくれ』
「一体、何者だ」
『俺は零(ゼロ)』
「...ゼ...ロ......」
放心状態の男に頼んだと最後に告げ、教会を出て行く
そして、ある場所に足を進めていく
目の前に建っているのは小さく怪しげな探偵事務所
深夜だから、勿論明かりが灯っているわけないし、鍵が開いているわけもない
あたしは裏口へと回り、ドアを3回叩く
10秒程間が空くと自動でドアが開いた
躊躇なく進むと事務所の中へと入る
奥まで歩いて行けば、社長室と書かれた部屋の中へ入り高級そうな椅子の向こうの側のドアを開けば、地下へと続く階段が現れた
階段を降りていくと再びドア
3回叩く
「最強の矛と」
『最弱の盾』
「名は何と言う」
『名は無い』
ゆっくりとドアが開かれると、目の前には中年の男が立っている



