今では、人1人すら寄り付かない有り様だ
『こんな所を拠点とするなんて、馬鹿らしい』
本当にあたしを神かなんかと思って崇めているわけ?
それとも悪魔として?
あたしは人の気配を感じるもここから動くことをせず、ただただガラス窓に描かれた祈りを捧ぐ女の人を見ていた
外が暗いため、その女の人の形は見えても表情までは見えやしない
だんだん、近づいてくる人の影
そして、懐中電灯の光が後ろからあたしを照らす
「き、貴様!!何者だ!」
あたしの真正面には、光が当てられてできたあたしの影と、ガラスに描かれた女の人
表情が露わになった女の人は、不気味に笑っているように見える
「おい!き、聞いているのか!?」
煩い声に振り向く
全身黒づくめにフードを被っているので不審がっている
『お前はシークライト軍の構成員か?』
「そ、そうだ。それがどうした!」
恐れているから声を張り、大きく見せているのだろう
あたしには煩いだけ



