零度の華 Ⅱ




休業宣言をして2日後、つまり休業も終わり仕事に復帰する朝を迎える


仕事の依頼は全てパソコンに保存しているから、困ることはない




何もすることがないので、男装を施し街を歩く


人が多くいる駅前までやって来ると、数人が大きな声で叫んでいる



選挙だろうか?




そんなこと思いながら、近づいていく




「零(ゼロ)は正義だ!!」


「今の人間は腐っている!零(ゼロ)こそ我が人間の誇りだ!!」




...何、これ


あたしは傍まで寄ることなく、聞こえる程度のところで足を止めて見ていた





「うわぁ。またやってる」


「本当だ。ただの馬鹿の集まりだね」



2人組の女がコソコソ話しているのが耳に入ったため、声をかけた




『ねぇ、君達』


「え?あ、はい!」



笑顔で話しかければ顔を赤く染め、すごく笑顔の女達


顔がイケメンでナンパされたと思っているんだろう



馬鹿な奴等とは言わないでおく