零度の華 Ⅱ






『弱っているところに付け込む気か?』


「零(ゼロ)のこんな姿は貴重ですから、何か弱点でも掴めるかと思いまして」




ニッコリ笑顔をあたしに向ける


本気で弱点を掴もうとしていたな




『そう簡単に弱点を見せる程、あたしは甘くない。他の女と一緒にするな』




威圧感を含めた言葉をおいて、あたしは2階へと上がりベットに横になる




色々と疲れただけだ


体を休めれば、忘れていく



そう思い、ゆっくりと目を瞑り眠りについた




目を開けたのは、日が落ち暗闇と空が変化する時刻


まだ少し眠い目を擦りながら、下へと降りていく




亜紀の姿が見受けられない


探そうとはせず、あたしはソファーに身を預けた



はぁ、と1つため息をこぼしたところに携帯電話が鳴る




『チッ。次は誰だよ』




画面を見れば〔ライト〕の文字



早いなと思いながら電話の応答ボタンを押す