零度の華 Ⅱ






『お前も死ねば家族で会えるだろ、な?』




自殺すればいいと、電話越しにあたしが冷笑しながら言っている姿が思い浮かぶだろう



言葉を失っているのか、声を発することが出来ないのか分からないが、追い打ちをかける





『自殺ができなければ、別にそれでいいだろ。自分の命が大切だと思うのは当然だ。でも、お前が自殺しようがしまいが一緒のこと。死が早いか遅いかのどちらかだ』




あたしは、一度言葉を止め再び口を開く





『自分で死ぬかあたしに殺されて死ぬか。お前の自由だ。まぁ、後者なら精々逃げ続けろ。最後に、雲雀はたった1人の家族のお前を心配していたよ。大丈夫、会わせてやるから』



言葉を返さない沙也加との電話を切る





テレビではあたしを取り上げた番組は終わり、お笑い番組へと切り替わっていた